もし、空気も水もない宇宙空間に放り出されたら、どうなるでしょうか?
おそらく多くの生き物はその過酷な環境に耐えられないでしょう。
しかし、そんな過酷な場所でも平気で生き残る、体長1mm以下の小さな生き物がいます。
見た目はちょっと可愛い(?)「クマムシ」です。
今回は生物学の常識を軽く超えてくる『最強スペック』に迫ります!
それでは、いってみましょー!
クマムシの「最強伝説」
普通の生き物なら一瞬でサヨナラしてしまう環境でも、クマムシにとっては「ちょっとお昼寝」くらいの感覚かもしれません。
クマムシが「最強」と呼ばれる、そのスペックを見てみましょう。
- 【温度】 上は150℃(沸騰したお湯でも平気!)から、下はマイナス272℃(宇宙の温度、絶対零度近く)まで。
- 【圧力】 なんと75,000気圧まで耐えたという実験記録があります。
- 【放射線】 人間の致死量の約1,000倍を浴びてもピンピンしています。
- 【真空】 空気のない宇宙空間に10日間さらされても、地球に戻って水を与えたら元気に歩き出しました。
はい、おかしい。笑
とんでもない生命力ですね!
最強の秘密「乾眠(クリプトビオシス)」!

なぜクマムシはこんなに強いのでしょう。
それは、彼らがピンチの時に発動する「乾眠(クリプトビオシス)」という裏技にあります。
水分を極限まで放出し、体の動きを完全にストップさせるのです。
いわば「生命のスイッチをOFFにして、電池を抜いた状態」。
この状態のクマムシは、もはや「生きている」というより「物質」に近く、だからこそ過酷な環境でもダメージを受けないんですね。
そして、環境が良くなって「水」がかかると……何事もなかったかのようにスイッチがONになり、トコトコと歩き出します。
この復活劇、まさにサイエンス・イズ・エレガントですね!
クマムシの意外な弱点:実はこんなに繊細!?
これまでの話を聞くと「宇宙最強生物」のようなクマムシですが、実は意外すぎる弱点がいくつかあります。
これを読むと、最強生物がちょっと可愛く見えてくるかもしれません。
1.物理的な「打撃」に弱い
放射線や圧力には鋼鉄並みの耐性を持つクマムシですが、実は物理的な衝撃にはとっても弱いです。
ピンセットで強くつまんだり、誰かに踏まれたりすると、あっけなく潰れてしまいます。
「乾眠(クリプトビオシス)」は、あくまで「環境の変化」から身を守るためのものであって、外からの物理攻撃を防げるわけではないんですね。
2.「ゆっくり」じゃないと無敵になれない
クマムシが最強の「乾眠」モードに入るには、周囲がゆっくり乾燥していく必要があります。
もし、急激に熱風で乾かされたり、一瞬で環境が変わったりすると、準備が間に合わずにそのまま死んでしまうこともあるんです。
3.「カビ」に負けることがある
何万気圧にも耐えるクマムシですが、じーっとしている「乾眠」の最中に、隣に生えてきたカビにやられてしまうことがあります。
宇宙の過酷な環境には勝てるのに、近所のカビに負けてしまう…。
このギャップこそが、自然界の面白いところです。
まとめ
以上、最強のチート生物「クマムシ」についてでした。
最強生物といえど、すべてが完璧なわけではありません。
むしろ、特定の環境(乾燥した時など)を生き抜くために一点突破で進化した「究極の専門家」なんですね。
このクマムシですが、実は道端のコケの中など、私たちのすぐそばに住んでいます。
最強だけど、実は身近で一生懸命生きている。
そんなギャップがまた魅力的ですね。
実物もいつか見てみたいです!
これからも身近な不思議をみなさんにお届けしていきますので、ぜひヒミツの理科室に遊びに来てくださいね!
コメントや質問も大歓迎です!✨
それでは、また!

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