”重曹(じゅうそう)”ってなに?驚きの効果と知られざる歴史!!

🏠暮らしの雑学

みなさんのおうちにもきっとある、白い粉…。「重曹」って知ってますか?🧐
お料理やキッチンの掃除で大活躍する、まさに魔法の粉です!✨
でも、実はその歴史はめちゃくちゃ古くて、なんと古代エジプトの時代から使われていたって知っていましたか?
タイムトラベルした気分で、重曹のひみつを探っていきましょー!🚀

そもそも重曹って何者?

私たちが普段使うときは「重曹」という名前で呼んでいますが、正式名称は「炭酸水素ナトリウム」といいます。

別名「重炭酸曹達(じゅうたんさんソーダ)」と呼ばれていて、この長い名前をギュッと縮めて「重曹」と呼ぶようになったんです。

この重曹、実は中学校2年生の理科でも登場します。熱を加えると、他の物質に分かれる「熱分解」という化学反応を起こすので、その実験で大活躍!

みなさんも、お菓子づくりで使う「ふくらし粉」といえば、ピンとくるかもしれませんね。私はカルメ焼きをつくる実験が大好きで、毎年理科室でつくっていました。(笑)

名前はちょっと強そうだけど、実は料理でも大活躍する、頼れるアイテムなんですよ!

お掃除での使い方

重曹を使うと油汚れや焦げを落とすことができますが、よく聞く「酸性の油汚れを中和して落とす!」は間違いなので注意。

正しくは、重曹がもつ「研磨効果」で、油汚れや焦げ付きを「こすって落とす」です。

そもそも油汚れは酸性の汚れではありません。なので「中和」は起きないんですね。クレンザーのように重曹のつぶつぶが汚れを「こすり」落とす、そんなイメージです。

お料理での使い方

重曹は料理でも驚くほど大活躍します!ただし、必ず「食用」と書かれた重曹を使ってくださいね。掃除用とは純度が違うため、食べ物には適しません。

重曹が料理で役立つ主な使い方をいくつかご紹介します。

お肉を柔らかくする

重曹のアルカリ成分が、お肉のたんぱく質を分解する働きを持っています。この性質を利用すると、硬くなりがちな赤身肉や鶏むね肉も、驚くほど柔らかくジューシーに仕上がります。

  • ①水250mlに重曹小さじ1を溶かした重曹水を作ります。
  • ②お肉を30分〜1時間ほど漬け込みます。
  • ③調理する前に、水でよく洗い流し、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ります。

山菜や豆のアク抜き、煮込み時間を短縮

山菜の苦みやエグみは「アク」と呼ばれ、酸性のシュウ酸やホモゲンチジン酸、クロロゲン酸などが主成分です。重曹の弱アルカリ性がこのアクを中和することで、食材を簡単においしくできます。また、豆を煮るときに重曹を加えると、早く柔らかくなります。

山菜の場合

  • たっぷりの水に、重曹をひとつまみ(水1リットルに対して小さじ1/2程度)加えて沸騰させます。
  • 山菜を入れて短時間ゆで、水にさらしてアクを抜きます。

豆を煮る場合

  • 煮る際に、ひとつまみの重曹を加えます。入れすぎると風味が悪くなるので注意が必要です。

野菜の色を鮮やかに保つ

緑色の野菜(ほうれん草など)をゆでる際に、ほんの少しの重曹を入れると、色が鮮やかに仕上がります。重曹のアルカリ性が葉緑素(クロロフィル)を安定させるためです。

  • 沸騰したお湯にひとつまみの重曹を入れ、野菜をゆでます。
  • 茹で上がったらすぐに冷水にさらします。

生地をふっくら、サクサクの食感に!

重曹は加熱すると二酸化炭素の泡を発生させるため、お菓子や天ぷらの生地を膨らませる「ふくらし粉」として使われます。

  • 天ぷら: 衣に重曹をほんの少し加えると、サクッとした食感に。
  • 蒸しパンやどら焼き: 重曹の力で、ふんわりとした食感に仕上がります。ただし、重曹独特の苦みや香りが残ることがあるため、他の材料(黒糖など)と組み合わせることが多いです。
  • カルメ焼き:お玉に半分砂糖を入れ、水を少々入れる。火にかけ、全体がドロドロになり、泡が大きくなってきたら、重曹を入れ素早く混ぜる。ふくらんで固まったら完成!

魚介類の臭み取りやぬめり取り

重曹には消臭効果と研磨効果があります。これを利用して、魚やイカ、エビなどの下ごしらえに使うと、臭みやぬめりを取り除くことができます。

  • 魚に直接重曹を少量まぶして軽くもみ、水で洗い流します。
  • イカやエビは、重曹を揉みこんで水洗いすると、プリッとした食感になります。

重曹は料理の世界でも、食材の持ち味を最大限に引き出す、まさに「魔法の粉」として活躍します!用途に合わせて、ぜひ試してみてくださいね。

古代エジプトでも使用された!?重曹の歴史!

重曹の歴史は非常に古く、そのルーツは古代文明にまで遡ります。天然の重曹と、現代の工業的な製造法に分けてご紹介します。

ミイラをつくる薬!?「ナトロン」

重曹の主成分である炭酸水素ナトリウムは、古代エジプト時代から存在していた天然の鉱物「ナトロン」に含まれていました。ナトロンは、主に乾燥した塩湖の湖底から採掘されており、古代の人々にとって非常に貴重な資源でした。

  • ミイラ作り: ナトロンには水を吸収する乾燥作用と、アルカリ性による殺菌作用があったため、ミイラ作りの防腐剤として使用されました。遺体の水分を効率よく抜き、腐敗を防ぐ役割を果たしました。
  • 洗剤・石鹸: ナトロンは油分を分解する性質があったため、原始的な石鹸や洗剤として、衣類の洗浄や体を洗うために使われていました。
  • 薬: 外傷の消毒や、歯磨き粉、うがい薬としても利用されていた記録が残っています。

どのように広まったの?

天然のナトロンに頼っていた時代から、工業的に重曹を製造する技術が確立されると、その利用は飛躍的に広がりました。

  • 18世紀のヨーロッパ: フランスの化学者ニコラ・ルブランが、海塩から炭酸ナトリウム(ソーダ灰)を製造する「ルブラン法」を発明しました。これが、近代的な化学工業の始まりの一つとされています。
  • 19世紀のベルギー: ベルギーの化学者エルネスト・ソルベーが、より効率的で環境に優しい「ソルベー法」を開発しました。この方法は、食塩水を原料に、アンモニアと二酸化炭素を反応させて重曹(炭酸水素ナトリウム)を沈殿させるというものでした。この画期的な製造法により、重曹の大量生産が可能になり、価格も安くなりました。
  • 世界への普及: ソルベー法によって安価になった重曹は、アメリカをはじめとする世界各地で、家庭用の「ベーキングソーダ」(ふくらし粉)や、掃除用、消火剤など、様々な用途で広く使われるようになりました。

日本での利用

日本では、重曹は「重炭酸曹達(じゅうたんさんソーダ)」という名前で輸入され、広まりました。この長い名前を省略して、現在の「重曹」という呼び方が定着しました。明治時代以降、近代的な化学工業の発展とともに、日本でも製造されるようになり、家庭に広く普及しました。

このように、重曹は数千年の歴史を経て、天然の鉱物から工業製品へと形を変えながら、人々の暮らしに寄り添ってきたのです

まとめ

いかがだったでしょうか。今や身近な存在である重曹は、古くは古代エジプトでミイラづくりに使われていたとは、驚きですよね。

そしてその便利さは21世紀の私たちにも、しっかりと受け継がれています。みなさんも重曹を活用して、豊かな生活を送ってみてくださいね!

それでは、また!

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