みなさんは「海塩粒子」という言葉を聞いたことはありますか?文字通り「海の塩」が「粒子(つぶ)」になったものですが、実は雲の材料になるのです!
では、どのような仕組みで雲になっていくのでしょうか?解説していきます!
① 海塩粒子って何だろう?
「海塩粒子(かいえんりゅうし)」とは、簡単に言うと「塩のつぶ」のことです。波が砕けたり、風が海面を吹きつけたりすることで、海の水が霧のように細かくなり、空気中に舞い上がります。舞い上がった海水が蒸発すると、残った塩分が目に見えないほど小さな粒になって、風に乗って空を漂います。これが海塩粒子です。
②雲とどういう関係があるの?
そもそも雲は、空気中の目に見えない水蒸気が冷やされて、水のつぶに変わることでできます。(雲のでき方は、いずれ記事にするので見てみてくださいね!)
元気に飛び回っていた水蒸気のつぶが、冷やされておとなしくなって、お互いくっつきあって水のつぶになっていく、こんなイメージでしょうか。
このとき、水蒸気が「くっつく」ための足場やきっかけとなるものが「核」です。ホコリ、花粉、チリ、そして海塩粒子がこれにあたります。

海塩粒子は、水蒸気が水や氷のつぶになるときの「核」になるのです。
特に海の上空では、この海塩粒子が主な雲の核となっています。
③ なぜ海塩粒子は「雲の核」になれるの?
海塩粒子が雲の核になる最大の理由は、「吸湿性(きゅうしつせい)」があるからです。
吸湿性とは、「湿気(しっけ)」を「吸う(すう)」性質のことです。お菓子などに入っている乾燥剤をイメージするとわかりやすいかもしれませんね。海塩粒子は、周りの空気中の水蒸気を引き寄せて、自分にくっつける力が強いのです。
海塩粒子はその強力な吸湿性で、周りの水蒸気をどんどん吸い寄せます。すると、海塩粒子のまわりに水滴ができ、それが成長して雲の小さな水のつぶになります。たくさんのつぶが集まって、やがて大きな雲になる、というわけです。
④まとめ
いかがだったでしょうか。「海の塩」が実は雲の材料になっていると考えると、なんとも不思議な感じですよね。
海は、私たちが思っている以上に地球の気候や空の様子に深く関わっています。空を見上げたときに、遠くの雲がもしかしたら海からやってきた塩のつぶからできているかもしれない、と思うとロマンチックですね。
これで、空を見上げるのがもっと楽しくなるはずです!
それでは、また!
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