みなさんは台風の渦(ウズ)の動きを見たことはあるでしょうか?
台風シーズンになると、よくニュースなどで映像が流れますが、ここで質問です。
「台風は時計回りと反時計回りどちらでしょうか。」
正解はタイトルにもある通り、「反時計回り」です。
台風は北半球で発生する限り、必ずこのような結果になります。
逆に南半球で発生すると時計回りになります。
なぜこのようなことになるかというと、「コリオリの力」というものがあるから、です。
今回はこのコリオリの力についての解説です!
それでは、いってみましょー!
ずばり!「コリオリの力」とは?
コリオリの力とは、「回転しているものの上で、動いている物体にはたらく『見かけの力』」のことです。
1835年にフランスの科学者、ガスパール=ギュスターヴ・コリオリが発表したことからこの名前が付きました。

コリオリの力のポイントは、実際に押したり引いたりといった力が物体にはたらいているのではなく、「力がはたらいているように見える」ということです。
だから、「見かけの力」という表現になるわけですね。
「見かけの力」とは?
実際に図を使いながら解説しましょう。
メリーゴーランドのような回転する物体に人が乗っているとします。
回転の向きは地球と同じ、「反時計回り」としましょう。
ここで、キャッチボールをすると…↓

こうなります。↓

この時、ボールはまっすぐ飛んでいるにもかかわらず、投げた人から見ると右に曲がったように見えます。

投げた後のボールに力は加わっていませんが、「力がはたらいて曲がったように見える」ため、「見かけの力」というわけです。
これがポイント!緯度による地球の「自転速度」の違い
コリオリの力を理解するのに大切な要因、緯度の違いによる地球の自転速度の違いがあります。
こちらも図で解説。
地球の自転速度は、赤道上で最大、北極・南極で0になります。

具体的には、赤道では時速約1670㎞、日本付近で時速1300㎞ほどある計算になります。
この緯度による速度の差が、風が曲がる原因になります。
赤道付近から北にむかって風が吹くとしましょう。↓

発生した風は、生まれながらにして時速1670㎞の東向きの速度を持っていることになります。

これはなにも風だけではありません。
地球上にあるものはすべて、地球の自転によって超高速で東に動いています。
普段それを感じないのは、地球も一緒になって動いているためですね。
もし地球の自転がピタッととまったら大変なことに…。
人も動物も物も、あらゆる物体が超高速で東にふっとびます。
話がそれたので戻りましょう(^^;)
北に向かった風について。
もともと風は東方向に時速1670㎞という速度を持っていました。
地球の北側では自転速度が遅く、風がどんどん右(東)に曲がっていきます。
具体的には赤道付近での自転速度が時速約1670㎞であるのに対し、日本付近では時速1300㎞ほどです。

よって、北側に行くほど風が右に曲がる、つまり見かけのコリオリの力は高緯度ほど大きくなる、というわけですね。
コリオリの力は北半球ではすべて「右向き」にはたらく!
以上、かなり難しい内容でしたが、一番大事なことは、
「コリオリの力は北半球では右向きにはたらく」
です!!
実際に風の向きを図で示すとこんな感じ。

だから北半球の台風は「反時計回り」というわけです!!
実際の台風って左に曲がってない…??
…と、思った方、するどいですね!!✨
ここからはちょっとおまけ程度の内容です。
実際の台風を見てみると、渦は左カーブを描いていますよね。

コリオリの力は右向きにはたらくのになぜ?と思った方もいると思います。
これは「気圧傾度力」という低気圧の中心に空気を引き込もうとする力がはたらくためです。
今までの説明はあくまで反時計回りの「渦」ができるしくみを解説したものです。
実際の風は低気圧の中心に向かって吹き込もうとしているため、最終的には中心に集められていきます。
結果、左カーブになっていく、というわけですね。
このように、実際の風向きはコリオリの力以外の要因も複雑に関係し、決まっていきます。
地球上の風には、摩擦力や遠心力、気圧傾度力といった力がはたらいており、それらがすべてつり合って最終的に風向きが決まります。
自然というのは実に繊細で美しいですね!✨
まとめ
以上、コリオリの力についての解説でした。
地球が回り続ける限り、この力は常にはたらき続けます。
次にニュースで台風の映像を見たとき、この「見えない力」のことを思い出してみてください。
きっとあなたの見方も少し変わると思いますよ!
台風についての記事も他にもありますので、気になる人は見てみてくださいね!↓
それでは、また!




コメント