元鑑定士がヒスイ探しのコツを紹介!糸魚川の海岸でお宝を見つけよう!

🔍自由研究

みなさんは「翡翠(ヒスイ)」という石をご存じでしょうか。

新潟県糸魚川産のものが有名で、海岸や河川で見つけることができる非常に美しい石です。

石マニアはもちろん一般の方にも広く知られ、大型連休や週末にはこの石を求めて多くの方が糸魚川の海岸に集結します。

ただしこの石、ひじょーに見つけることが難しいことで有名です。

今回は、ヒスイを自分の手で見つけたい!という人に向けて、糸魚川の海岸に6年間通って身に着けたコツを紹介していきます。

ぜひ最後までご覧ください!

ヒスイを見つけるのはなぜ難しい?

実は私、数年ですが石の鑑定士のアルバイトをしていた時期があります。

多くの方が拾ってきた石を見て、さらに自分の目で探して感じた壁は以下の3つ。

・ヒスイに似た石がめちゃくちゃ多い

・同業者が多く競争率が高い

・ヒスイ自体の供給量が少ない

です。

これを踏まえて攻略法を解説します!

ヒスイを探すうえでの心構え

そもそも大前提としてですが、ヒスイ探しには運が大きく関わるということを肝に銘じてください。

石を見分ける力を持っていても、見つからないということはざらです。

逆にヒスイのことをよく知らないのに、とんでもない宝石級のヒスイを見つけてきたという例もあります。

今回の記事で伝えることは、見つける確率を上げる方法です。

この方法を身に着け、何度も根気よく海岸に通うことが大切です。

①拾った石は必ず乾かす!!

なるべく白い石を探そう、とか、重い石を探そう、とかいろいろありますが、

まずはとにかく拾った石を乾かしてください!

これがヒスイ探しでもっとも重要なことです。

理由は表面の質感を確かめるため。

ヒスイの最大の特徴は表面のすべすべ、つるつる感です。

糸魚川のフォッサマグナミュージアムの鑑定員もまずはこの質感を確かめます。

それだけこの特徴は重要なので、何としても覚えましょう!

これは私が実際に採集したヒスイの表面。

濡れているとすべての石がすべすべ、つるつるに見えてしまい、ヒスイ特有の質感が判断できなくなります。

オンラインや写真での鑑定が難しいのは、最大の特徴である質感が判断しづらいからですね。

②ずっしりとした重さがある

2つ目のポイントは、やはり重さです。

そもそもヒスイとは、「ヒスイ輝石」という鉱物が集まったものです。

ヒスイ輝石は鉱物の中でも密度がかなり大きいため、手に持つとずっしりとした重量感があります。

この「重さ」は慣れると、大きさに関係なく感じることができます。

ぜひ、何度も石を持ってみて、この『ずっしりしてるなぁ~…』っていう感じを身に着けてみてください!

おまけ:密度のはかり方

ただ、重い石と言われても、実際持ってみるとわかりづらいのが現状。

鑑定をしていても「どの石も同じ重さに感じる」とよく言われました。

そこでおススメするのは密度をはかる方法。

密度とは「物体の1cm³あたりのグラム数」のことです。

例えば、10cm³で30gの石があったとします。

この石の密度は30÷10=3となり、3g/cm³ですね。

ヒスイの密度は3.3g/cm³ぐらいなので、この数字が出ればヒスイの可能性あり、というわけです。

使うのは秤(はかり)、水が入る深めの容器、ひも、必要ならセロテープ。

まずは石の重さをはかります。

この石は24.9gです。

続いてこの石にひもを取りつけて、つるせるようにします。

結んでもいいですし、難しければセロテープで貼ってもいいです。

ここからがポイント。

秤に水を入れた容器を乗せ、表示を0にします。

この水の中に、先ほどの石を紐でつるして入れていきます。

この時、石はすべて水中に入れ、底や側面に触れないようにしてください。

すると数字が表示されますが、の数字はこの石の体積(cm³)とみなすことができます。

なのでこの石の体積は7.4cm³です。

密度を計算すると、24.9(g)÷7.4(cm³)≒3.36(g/cm³)

よってこの石の密度は3.36g/cm³です!

ちゃんとヒスイの密度が出ましたね。

ただし、ヒスイ以外にも密度が3.3g/cm³くらいの石があるので注意してください。

あくまで証拠の一つとして参考にする、くらいの使い方です。

✩石の重さの指標として「比重」という言葉が使われることがあります。すごく簡単に言うと、密度から単位(g/cm³)を取り除いた単純な数字です。

例)密度3.3g/cm³⇒比重3.3

ちなみに比重とは「水の密度とその物体の密度の比」のことです。水の密度は1g/cm³なので、結局密度と比重は同じ値になります。

③競争率が高い場所・時間帯を避ける

私は糸魚川に住んでいるわけではなかったので、海岸に遠方から通ってヒスイを探していました。

そこでライバルになるのは、地元や近所の採集者です。

みなさんの中には早朝の散歩やランニングを趣味にしている方もいらっしゃると思うのですが、早朝の趣味がヒスイ探しという地元民も結構います。

その昔、海沿いのとある民宿を利用した際に、玄関にあわ~い緑のとてつもなく美しいヒスイが置いてありました。

思わずどこで手に入れたんですか、と聞いてみたところ、「朝、散歩してたら落ちてた」だそうです。笑

あの時ほど糸魚川に住みたいと思ったことはないですね。笑

このように、遠方からくる場合はすでに人の目が入った後である可能性が高いです。

なので、なるべく人がいない場所を探すと確率が上がるかもしれません。

ちなみに私がヒスイを拾った最南端は富山県の越中宮崎海岸、最北端はヒスイ海岸で有名な押上です。

時と場所によって人の多さも変わりますので、ぜひ戦略を立ててみてください。

あまけ:「掘って探す」は効果的…?

結論、砂利を掘って探すのはあまりおススメしません。

よく、「他の人が歩いた後を探すより、埋まっているのを探した方がいいのでは?」という質問をいただきますが、圧倒的に効率が悪いです。

掘って探すとなると、せいぜい1mかそこらの範囲に貴重な時間をかなり費やしてしまうことになります。

私も掘って見つけたことは1度もありません。

それよりは目視で、なるべく広範囲を探すことをおススメします。

実際、越中宮崎海岸で見つけたときは、隣に多くのライバルがいましたね。

いくら慣れている人でも、見逃すこともあります。

それがヒスイ探しです。

ただし、「軽く石をどかす」は効果的かもしれません。

こちらはヒスイ海岸(押上)で拾った際の写真ですが、一部が砂利に埋まっている状態でした。

明らかに周囲の石とは異質な白色が見えていたのですぐに気づきました。

このように表層の砂利の下に埋もれているものを、さっと見る、程度はいいかもしれませんね。

④似ている石を見分けよう!

おそらく多くの人を悩ませているであろう、似ている石との見分け方。

最近ではしっかりと事前に調べる人が増え、「純粋なヒスイは白い」という情報はみなさんお持ちのようです。

なので、極端に緑色の「キツネ石」や「ネフライト」をヒスイだと思って鑑定に来る人よりも、白っぽい石をヒスイだと思って持ってくる人が圧倒的に多いです。

それぞれの石には見分けるポイントがありますので、解説します。

ヒスイ(正式名称:ヒスイ輝石岩)

・色…白(他に緑、青、紫、黒など)
・比重…約3.2~3.5など
純粋なヒスイは白いです。他に微量な元素や鉱物が混じることによって色が変化します。特徴は何といっても表面の質感。つやつや、すべすべ、「トロトロしている」と表現する人もいますが、実際触るとこの表現はけっこうしっくりきます。非常に硬く、角が落ちていたとしても輪郭が多角形をしていることが多いです。ずっしりと重いです。

次に紛らわしい白っぽい石たち。

流紋岩(りゅうもんがん)

・色…主に白(他に緑、茶など多様)
・比重…約2.5~2.8など
白っぽい色をしているので、多くの人がヒスイと間違えます。しかし、持ってみると軽く、表面がザラザラしていることが多いので見分けることができます。マグマが浅いところで固まった火山岩の一種で、表面をよく見ると斑晶という鉱物の結晶があり、これも見分けるポイントです。
マグマが流れた跡が見られることがあるので、「流紋」という字がつきました(『流離構造』と言います)。

おそらくこちらは流紋岩です。

理由は2つ。

写真でもわかるくらい、表面にぽつぽつと「斑晶」があるのと、流れた模様の「流理構造」があるからです。

マグマが由来した岩石には「斑晶」があるので、表面にぽつぽつがあるものは候補から外してください。

石英(せきえい)

・色…主に白(他に緑、赤など多様)
・比重…約2.6~2.7など
透明度があり、時には緑色のものもあるためヒスイと間違いやすいです。成分は二酸化ケイ素、つまり天然の「ガラス」であり、軽いため見分けがつきます。

こちらも写真で見た限り、石英です。

石英はヒビが入っていることも多く、ヒスイのような上品な白ではないです。

やっかいなことに「緑色の半透明な石英」もあるので一瞬ドキッとしちゃいますが、やはり質感と持った感じでわかります。

石英斑岩(せきえいはんがん)

・色…主に白(緑っぽいこともある)
・比重…約2.6~2.7など
流紋岩と同じようなマグマが、やや深いところで冷えた岩石です。(半深成岩
最大の特徴は石英の斑晶。表面に白っぽいポツポツが見られます。

少し緑色ですが、こちらは石英斑岩です。

理由は写真でもわかるくらいの表面の斑晶。

こちらもマグマが固まってできた岩石ですね。

曹長岩(そうちょうがん)

・色…主に白(他に灰色など)
・比重…約2.6~2.7
白っぽく、石英ほどではありませんが若干透明感があります。こちらも軽いため見分けがつきますが、厄介なのはヒスイが混じっていることがあるということ。地下深くのヒスイができる環境では、同時に曹長岩ができることもあります。よって比重が2.7より大きい場合はヒスイとの混じり石の可能性があります。

白や灰色、半透明の結晶がゴロゴロと入っているような石です。

曹長石の「曹」は、曹達(ソーダ)つまりナトリウムを意味します。

ナトリウムに富んだ長石(曹長石)が集まった石なので、「曹長岩」です。

ロディン岩

・色…主に白(灰色や緑が混ざることもある)
・比重…約3.1~3.4など
おそらくヒスイ探しで最も壁になりうる石です。重さや色合い、表面の質感がヒスイと似ている部分が多く、はっきりと見分けるのが難しいものもあります。ヒスイよりも柔らかいため、ひび割れてごつごつしていることが多く、縞模様や緑色が混じることもあります。ヒスイとの混じり石になっていることもあり、そうなると見分けはかなり困難です。

ヒスイを探しているとおそらく、ロディン岩で迷うことになると思います。

表面がヒスイに似ていることも多く、正直判断に困ることも多いです。

個人的にはチョークのような粉っぽい白色、とでもいいますか、質感で判断しています。

石英の解説でも書きましたが、ヒスイって独特のオーラというか、気品がある感じなんですよね。

こればっかりは慣れるしかないかもしれませんが、本物を見る機会があればぜひじっくりと見てみてください。

まとめ

ここまでヒスイを探すコツについてまとめてきましたが、あとは場数をたくさん踏むことが本当に重要です。

私も頻繁に通うことができず、年に数回、しかも探せる時間は1時間程度、なんて日もありました。

ちなみに最初にヒスイを自力で拾えたのは4年目です。笑

それまでは流紋岩や石英、今回は扱っていませんがネフライトなど、多くの石ころに翻弄されました。

でもあきらめずに通い続け、今ではすっかり見分けられるようになりました。

自分で見つけたときの感動はとてつもないものです。

みなさんもあきらめずに、粘り強く探してみてくださいね!

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