人気漫画『Dr.STONE』で、千空たちがルリの病を治すために「万能薬サルファ剤」を作り出すシーンは作中屈指の名シーンですよね!
私たちの歴史でも、サルファ剤の登場は人類の寿命を劇的に伸ばした大革命だったんです!
今回は、サルファ剤の驚きの仕組みを解説します。
それでは、いってみましょー!
サルファ剤ってどんな薬?
サルファ剤は、一言で言うと「世界初の人工的な抗菌薬」です。
「抗菌薬」とは、細菌を殺してくれたり、増えるのを防いでくれたりする薬のこと。
ちなみにカゼをひいた時に飲むような薬は、「抗ウイルス薬」です。
細菌とウイルスは違う存在ですので、使用する薬も違ってきます。
こちらの記事でも解説していますので、興味がある人は見てみてくださいね!↓
さて、同じような抗菌薬としてもう一つ有名なものがあります。
青カビから発見された抗生物質「ペニシリン」です。
ただし、ペニシリンよりも先に実用化され、多くの人の命を救ったのがサルファ剤です。
菌を「だます」驚きの仕組み!
ここが今回のポイントです!
サルファ剤は細菌を直接バシバシ叩き潰すわけではありません。
「細菌の成長を偽物で邪魔する」という、非常に賢い戦い方をします。
ターゲットは「葉酸(ようさん)」
細菌が生きて増殖するためには、「葉酸」というビタミンが必要です。
細菌は、PABA(パラアミノ安息香酸)という材料から、自分たちで一生懸命「葉酸」を組み立てて作っています。
「そっくり」大作戦
ここでサルファ剤の登場です。
実は、サルファ剤の分子構造は、材料であるPABAと形がそっくり!
- 細菌が「さあ、葉酸を作るぞ!」と材料を取り込もうとする。
- 形がそっくりな「サルファ剤」を本物の材料(PABA)と間違えて取り込んでしまう。
- 偽物(サルファ剤)が混ざったせいで、正常な葉酸が作れなくなる。
- 細菌は増殖できなくなり、やがて全滅する!
ちなみに、千空たちが作ったサルファ剤でもあるスルファニルアミドとパラアミノ安息香酸(PABA)の構造式。↓

右側の構造以外はそっくりですよね!
これがサルファ剤の戦略です!
なぜ人間には無害なの?

「細菌の葉酸作りを邪魔するなら、人間も危ないんじゃない?」という疑問を持ったあなた、鋭いですね!
実は、人間は自分の体の中で葉酸を作ることができません。
私たちは、食べ物(野菜など)から完成した葉酸を摂取して生きています。
この違いがあるから、サルファ剤は「細菌だけをピンポイントで攻撃できる」薬になるわけですね!
まとめ
サルファ剤の登場によって、かつては死に至る病だった感染症が克服できるようになりました。
これは、人類が何千年もかけて積み上げてきた知恵の結晶と言えるでしょう。
Dr.STONEで描かれたロードマップでも、硫酸、アンモニア、重曹などなど…様々な物質を使用してサルファ剤を完成させていきました。
地道に一歩一歩、まさに人類の歴史が詰まった逸品ですね!
これからもDr.STONEの解説などを更新していきますので、ぜひヒミツの理科室に遊びに来てくださいね!
それでは、また!



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